こんにちは!先日新しくカメラを購入した友人にカメラの使い方を聞かれたのですが、私はキヤノンのカメラを使っているのに対し、友人はニコンのカメラを購入したので大変戸惑ってしまいました。その場に友人のカメラがあればまだ良かったのですが、私と友人で使っている言葉がかなり異なるために口頭で説明するのはかなり難しかったのです。
有名な例ですが、最も基本的とも言えるシャッタースピード優先AEの呼び名1つとっても、キヤノンはTv (Time value)モードと呼ぶのに対し、ニコンではS(Shutter speed)モードと呼ぶのです。もっと細かいところになるとさらに全然違う言葉が使われていたりして相互理解はより一層大変になります。
これがその対応表だ!
まず最初にお断りしておきたいのは、私はキヤノンのカメラ(EOS 5D mark III, EOS Kiss X5)とリコーのGRしか使ったことがないということです。今回は各メーカーの代表的なカメラの説明書を読んで、対応する言葉を探して見ましたが、もちろんメーカーごとの仕様の違いがあるので細かい部分では完全には1:1に対応していないということもあるでしょう。また、私の誤解によって間違っている点もあるかもしれません。各メーカーの利用者の方で、「これは間違っている」という点を発見された方は、ぜひご指摘いただければ幸いです。すぐに修正させていただきます。 では見てみましょう。表中”ー”と書かれているのは対応する言葉を見つけられなかったという意味で、必ずしもその機能がないという意味ではありません。このメーカーはこれをこう呼んでいますよというご指摘も大歓迎です。
撮影モードの対応表
まずは撮影モードの対応表から。キヤノンユーザー的に盲点だったのは、”Tvモード”という言葉を採用しているのはむしろ少数派で、キヤノンとペンタックスリコーだけだったということです。オートモードの名前は実にさまざまですね。
参考にした機種 | 撮影モード | |||
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絞り優先AE | シャッタースピード優先AE | シーンをカメラが自動的に認識するAEモード | ||
キヤノン | EOS 5D mark III / EOS Kiss X7 | Av | Tv | シーンインテリジェントオート |
ニコン | D800 / D800E / D7000 | A | S | オート |
ソニー | a99 | A | S | おまかせオート・プレミアムおまかせオート |
パナソニック | Lumix GM1 | A | S | インテリジェントオートモード |
オリンパス | OM-D mark II | A | S | iオートモード |
ペンタックスリコー | GR / K-3 / K-50 | Av | Tv | AUTO(オートピクチャー)モード |
富士フィルム | X-T1 / X-T10 | A | S | アドバンストSRオート |
AFモードの対応表
次にAFモードの対応表です。頻繁に出てくるサーボ(servo)というのは「自動制御機構」のことだそうです。キヤノンユーザーとしてはAIサーボAFとAIフォーカスAFがどっちがどっちだったかよく混乱していました。もう少しわかりやすい名前にできなかったのかな、と思うところです。ニコンの常時AFサーボは常に(撮影者がシャッターボタンを半押ししなくても)ファインダー内の被写体にフォーカスを合わせ続けるモード、オリンパスの追尾AFは半押し時にピントが合った被写体を追尾し続けるモードということで他とは異なりますが、カメラによるAFのアシストということで同じ列に表記させてもらいました。
参考にした機種 | AFモード | |||
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静物撮影用 | 動体撮影用 | 自動AFモード(自動切り替えや常時AFなど) | ||
キヤノン | EOS 5D mark III / EOS Kiss X7 | ワンショットAF | AIサーボAF | AIフォーカスAF |
ニコン | D800 / D800E / D7000 | AF-S(シングルAFサーボ) | AF-C(コンティニュアスAFサーボ) | AF-F(常時AFサーボ) |
ソニー | a99 | AF-S(シングル) | AF-C(コンティニュアス) | AF-A(AF制御自動切り替え) |
パナソニック | Lumix GM1 | AFS | AFC | AFF |
オリンパス | OM-D mark II | S-AF(シングルAF) | C-AF(コンティニュアスAF) | C-AF+TR(追尾AF) |
ペンタックスリコー | GR / K-3 / K-50 | AF.Sシングルモード | AF.Cコンティニュアスモード | AF.A自動選択モード |
富士フィルム | X-T1 / X-T10 | S(シングルAF) | C(コンティニュアスAF) | ー |
測光モードの対応表
こちらは測光モードの対応表です。画面全体を総合的に判断するデフォルトの測光モードの名前はかなりバラバラですね。キヤノンにはスポットよりやや広い領域を測光する部分測光、富士フィルムには画面全体を平均的にに測光するアベレージというモードが有りますが、これらは他のメーカーでは見当たりませんでした。
参考にした機種 | 測光モード | |||||
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デフォルト | 狭い領域で測光 | 中央に重点を置いた測光 | スポットよりやや広い領域で測光 | 画面全体を平均的に評価して測光 | ||
キヤノン | EOS 5D mark III / EOS Kiss X7 | 評価 | スポット | 中央部重点平均 | 部分 | ー |
ニコン | D800 / D800E / D7000 | マルチパターン | スポット | 中央部重点 | ー | ー |
ソニー | a99 | 多分割 | スポット | 中央部重点平均 | ー | ー |
パナソニック | Lumix GM1 | マルチ | スポット | 中央重点 | ー | ー |
オリンパス | OM-D mark II | デジタルESP | スポット | 中央重点平均 | ー | ー |
ペンタックスリコー | GR / K-3 / K-50 | 分割 | スポット | 中央重点 | ー | ー |
富士フィルム | X-T1 / X-T10 | マルチ | スポット | ー | ー | アベレージ |
撮影時設定の対応表
最後に撮影時設定の対応表です。写真の仕上がりを設定(ニュートラル、忠実設定、ビビッドなど)するメニューの名前は実に多岐にわたります。また最近流行りの、写真に特殊な効果(トイカメラ風、ミニチュアライズなど)を加えるメニューもさまざまです。ニコンはこれに特別な名前を与えていないようで、画像編集メニュー内の「フィルター効果」や「ミニチュア効果」を選ぶシステムになっているようです。
参考にした機種 | 撮影時の設定 | |||||
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写真の仕上がりの指定 | 写真に特殊な効果を加える | 白とびや黒つぶれを抑制する | レンズの歪曲を補正 | レンズの周辺光量落ちを補正 | ||
キヤノン | EOS 5D mark III / EOS Kiss X7 | ピクチャースタイル | エフェクトショット | オートライティングオプティマイザ/高輝度側・階調優先 | 歪曲補正 | 周辺光量補正 |
ニコン | D800 / D800E / D7000 | ピクチャーコントロール | 画像編集メニュー内(フィルター効果、ミニチュア効果など) | アクティブ D-ライティング | 自動歪み補正 | ヴィネットコントロール |
ソニー | a99 | クリエィティブスタイル | ピクチャーエフェクト | Dレンジオプティマイザー | レンズ補正(歪曲収差) | レンズ補正(周辺光量) |
パナソニック | Lumix GM1 | フォトスタイル | クリエィティブコントロール | iDレンジコントロール | ー | シェーディング補正 |
オリンパス | OM-D mark II | ピクチャーモード | アートフィルター | ハイライト&シャドウコントロール | ー | シェーディング補正 |
ペンタックスリコー | GR / K-3 / K-50 | カスタムイメージ | デジタルフィルター | D-Range設定 | ディストーション補正 | 周辺光量補正 |
富士フィルム | X-T1 / X-T10 | フィルムシミュレーション | アドバンストフィルター | ダイナミックレンジ | 歪曲収差補正 | 周辺光量補正 |
もっと話をしよう
巷にあふれる本やネット上の有益な情報を、ただ使っている言語が異なるという理由だけで理解できないのはもったいないことです。写真撮影を趣味とする同志なのに、使っている言語が異なるだけでお互いを理解しようとする努力を放棄してしまうのは残念なことだと思いませんか?また、新しくカメラ買って写真を始めようという人が、メーカーが異なるというだけで周りの人に助けてもらえないというのも不幸な話です。
この表が、写真撮影を楽しむ人同士のコミュニケーションを少しでも活性化できれば幸いです。私はとりあえず冒頭の友人とこの表を見ながら話をしてみようと思います。それでは、今日もCapture the MOMENT!