あなたの歩留まりはどれくらい?「シャープな写真」を撮るための注意事項をリストアップしてみた!

こんにちは!最近はなかなか忙しくて記事を書くこともできないのですがふと空いた時間ができたのでここのところ考えていたことを一気に記事にしてみます。考え過ぎるとなかなかアウトプットにつながらないので一気に行きますよー。

「歩留まり」どれくらいですか?

子供が産まれたことも有り、最近はもっぱら家族の写真を撮ることが多いです。その瞬間瞬間では「かわいいなー」と思って撮っているのですが、後で見なおしてみるとなんとなくぼやけていてがっかり…という写真があります。皆さんにもそんな経験ありませんか?

写真の世界では、シャッターを切った回数に対するOKカットの割合を「歩留まり(ぶどまり)」と言います。もともとは製造・工業の用語で「原料(素材)の投入量から期待される生産量に対して、実際に得られた製品生産数(量)比率」のことだそうです(Wikipediaより引用)。要するに「不良品ではない、使い物になる製品が得られる割合」のことですね。考えてみると、以前はフィルムというコストの掛かる「原料」を投入して写真という「製品」を生産していたわけで、歩留まりという言葉が使われていたのも不思議ではありません。

デジタルが主流となった今、写真を撮るということに対するコストはフィルム時代とは比較にならないほど低くなっています。従って写真の歩留まりを意識する機会は以前より少なくなっていると言っていいでしょう。しかし、たとえ百発百中は無理であっても、歩留まりを向上させる努力は続けていくべきです。いくら「もう一度」とお願いしても、その瞬間に見せてくれたのと全く同じ表情はもう戻ってこないのですから。

今の私の実力、機材、環境では、歩留まりは20%程度というのが正直なところでしょうか。まあ大きく印刷しないならOK、というのを含めると40%くらいかな。これを少しでも上げていきたいわけです。今回は、「ぼやけていない、シャープな写真」を撮って歩留まりを上げるために必要なことについて考えてみましょう。なるべくいろいろなシーンに適用可能な基本をリストアップしていきますが、念頭には私が最近一番写真を撮ることが多い「夜の屋内で子供の写真を撮る」というシチュエーションを想定しています。

「ぼやけていない、シャープな写真」とは

さて、上記の残り60%となる「失敗写真」は、なんとなくぼやけている、シャープさが感じられない写真なわけですが、これらは何が原因なのでしょうか。その理由は次の3つです。

  1. ピントずれ
  2. 手ブレ
  3. 被写体ブレ

1は単純で、被写体がピント面から外れてしまって被写体がボケてしまっている状態、すなわち被写体が「前後方向」にズレてしまうことに起因する失敗です。2と3はシャッターが開いている間に被写体がフレーム内で相対的に動いてしまうことに起因する失敗で、2はカメラを握るあなたが、3は被写体そのものが動いてしまうものですね。これら3つは分けて考えなければいけません。

ぱっと見でなんとなくピントがあっているように見えても、等倍に拡大してみるとぼやけてしまっていることが有ります。フィルム写真の時代には写真を大きく引き伸ばして印刷しないかぎりは多少ぼやけていてもあまり問題となりませんでしたが、デジタルが主流となった今は、写真を等倍に拡大してみる(センサーの1ピクセルをモニタの1ピクセルに対応させて表示する)ことはワンクリックで簡単にできてしまいます。私は等倍で見てピントが合っていないとダメだという「等倍鑑賞至上主義」の信者ではありませんが、やはり等倍で見てもバッチリピントが来ている写真は被写体が与えるインパクトが違います。デジタル化によってピントにシビアな時代になってしまったものだと嘆くよりは、簡単に確認できるようになったことを喜びながら、しっかりピントが来ている写真を撮影・選別できるようになりたいものですね。

「シャープな写真」を撮るために

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ピントをしっかり合わせる

まず1への対処法ですが、これは基本中の基本で、「ピントをちゃんと合わせる」ということに尽きるわけです。ところが、夜の屋内などでは照明が明るくないため、絞りは開放に近くなり、どうしても被写界深度は浅くなりがちです。しかも子供はちょこちょこと動くので、せっかくピントを合わせても子供が少し動くと(特に前後方向にパッと動くことが多いですよね。目の前にあるものに興味を惹かれて飛びつくとか…。)被写界深度の外に出てしまったりするわけです。

1のピントずれによる失敗写真は、次の点に注意することで予防できます。

  • フォーカスロック(中央一点AFでピントを合わせたあとでカメラを振ること)をしている場合には、コサイン誤差に注意し、必要なら絞る
  • 被写界深度を意識し、被写体(人物なら瞳)がピント面内にあるように注意する
  • 特に暗めの環境で被写体が動く場合にはいちいちピントを合わせていたら間に合わないこともあるので、ピントを固定して、自分が動いて被写体との距離を一定に保つ
  • マニュアルでのピント合わせを行う(ライブビューで行うとさらに効果的)
  • 撮影した写真をその場で拡大してピントをチェックする

フォーカスロックとコサイン誤差については以下の記事に書きました。

【初心者のための写真撮影講座】5. ピント合わせを練習しよう

2015.07.04

被写界深度の計算については以下の記事に書きました。

わかりにくい被写界深度と絞り値・焦点距離・被写体距離の関係性をグラフにしてみた!

2015.06.04

今の焦点距離・絞り値で、ピント面までの距離がこれくらいだったらこのくらいの被写界深度があるはずだという感覚は身につけておきましょう。もしじっくり撮れるシチュエーションであれば、ライブビューにして被写体のピントを合わせたい部位を拡大し、マニュアルでピントを合わせるのが一番確実です。

また、写真をその場で確認することはとても重要です。カメラの液晶の解像度は写真のピクセル数と比較して低いので、写真全体をちょっと見るだけではなく、拡大して確認してください(できれば等倍に)。カメラによっては、再生モードで拡大ボタンを押した際の拡大率をセットすることができるので、これを等倍にしておきましょう。さらに設定に寄ってはAFの際に使用したAFポイントの位置を等倍表示させることができる機種もあります。フォーカスロックを使っている場合には別の場所(中央)が拡大されてしまうのであまり意味はありませんが、周辺のAFも使ってピント合わせを行っている場合には非常に便利です。その場で確認しておけば、撮影が終わった後でPCに取り込んで拡大してみてがっかり…なんてことも減らせます。

手ブレを抑える

被写体をピント面内に収めたあとは、自分が動かないようにして写真を撮ることで2.手ブレを抑える必要があります。適切な用語を思いつかないので手ブレと言っていますが、もちろんこれは手のブレだけではなくて、撮影者の体の動きに起因するブレをも含みます。

2の手ブレによる失敗写真は、次の点に注意することで予防できます。

  • 身も蓋もないですが、使えるときは三脚を使うのが一番
  • 手持ちで撮るときはホールディングをしっかりする
  • 可能なら手ぶれ補正付きのレンズやカメラを使う
  • シャッタースピードをなるべく早くする

シャッタースピードを上げる方法は色々有ります。直接的にはシャッタースピード優先モード(TvモードまたはSモード)を利用してシャッタースピードを設定するのがいいでしょう。よく言われることですが、この際、1/焦点距離 までのシャッタースピードが手ブレしない目安とされています。例えば焦点距離が100mmであれば1/100秒、50mmであれば1/50秒より速いシャッタースピードを選択するのが無難です。もちろん手ぶれ補正がある場合には、その効果の段数によってこれよりも少し遅くできます。とは言えこれはあくまでも目安ですので、何度か試してみて手ブレせずに撮影できるシャッタースピードを確認しておきましょう。シャッタースピードを上げておけばこの間に手ブレする確率が低くなりますので歩留まりは上がります。一方で無理に早くし過ぎるとISO感度は高くなって画質が低下するとともに、絞り値が開放に近くなって被写界深度は浅くなり、1のピントずれが起こりやすくなるので注意が必要です。

また根本的な話ですが、部屋を明るくできるなら明るくするのが一番です。部屋の照明を明るくできるならできるだけ明るくしましょう。もちろんフラッシュを使うのも手では有ります。

ブレるブレると文句を言っておきながら、一番の問題が自分のホールディングである場合は大変多いです。カメラ歴が長くなってくるとついつい軽視して自己流になってしまいがちですがホールディングは重要です。左手にレンズを乗せて右手をカメラに添え、ファインダーを覗きながらカメラを額に押し付け、両脇は締めて、息を吐き切った状態でそっとシャッターを切りましょう。脚はアングルによって変わりますのでここでは詳しく書きませんが、棒立ちはいけません。

50mmのレンズでシャッタースピードを1/50秒に固定し、2mほど先に置いた静物を手持ちで撮影してみてください。10枚中9枚以上がバチピン(しっかりピントが合っていること)でない方はホールディングを再確認する必要があるかもしれません。経験上、コンデジからミラーレスカメラに移行したライトユーザにホールディングが甘い方が多いようです。一眼レフカメラは一般に重く大きいので自然と手ブレはしにくいですしファインダーを除くことによってさらに支点が増えるので安定しやすいのですが、ミラーレスの場合はカメラが軽くレンズも小さく、液晶画面を見ながら撮るために手ブレしやすいのです。脇を開いて目の前にカメラを掲げる、いわゆる「コンデジ持ち」になってしまいがちだからです。

被写体ブレを抑える

最後に被写体ブレですが、これは被写体が動いてしまうことによるものなのである意味ではどうしようもありません。3の被写体ブレによる失敗写真を予防するためには次のような注意が必要です。

  • 被写体の動きを写し止められるだけのシャッタースピードを選択する
  • タイミングを見計らってシャッターを切る
  • 連射する

まずはやはりシャッタースピードを上げることが重要です。長めのシャッタースピードを選択して敢えて被写体ブレを起こさせることもダイナミックな動きの表現としては重要ですが、動きを写し止めたい時には被写体の動きのタイムスケールより短いシャッタースピードを選択することが重要です。ハイハイしかできないような赤ちゃんでも実は結構速く動いているので1/100秒が必要だったりします。何枚か写してみて適切なシャッタースピードを選択してください。もちろん、前項と同様に部屋を明るくしたりフラッシュを使って可能なシャッタースピードの上限を引き上げる努力も重要です。

シャッタースピードを選択した後は、シャッターを切るタイミングが重要です。ポートレートの場合には瞬きや呼吸のリズムを見て、また動きや表情をよく観察しながら、と言った風に、シャッターを切るタイミングを図りましょう。私もまだまだですが、適切なタイミングをピンポイントで突くイメージを持つことが重要だと思います。

最終手段では有りますが連射するのも手では有ります。これは2の手ブレの対策にもなるのですが、連射していればそのうち1枚位は止まるだろうという考えです。失敗写真も量産されるので「歩留まりを上げる」という今回の記事の趣旨からは外れてしまいますが、どうしても失敗できない時には保険として連射しておくことも有効でしょう。

まとめ

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以上、自戒を込めてまとめてみましたがいかがでしたでしょうか。

歩留まりを上げるというのは一朝一夕にはできないことですが、これらを常に意識しておくことで徐々に向上していけるはずです。

「何枚撮っても大丈夫」な写真管理環境はデジタル写真上達への近道となるはず、という話

2015.06.23

上の記事ではデジタルになって「いくらでも撮れる」ようになったことが写真撮影技術の向上に有用であるという話をしましたが、それにかまけて失敗写真を量産し続けるのも考えものです。「シャープであればいい写真」だとは言えませんが、「ピントがしっかり来ていないと台無し」というのは正しいと思います。一方では失敗を恐れず、一方では失敗を軽んじず、粛々とテクニックを磨いていきたいものですね。それでは、今日もCapture the MOMENT!