皆さん今日も写真撮ってますか?私は撮ってます!私のメイン機材はCanon EOS 5D mark III、サブはRICOH GRという構成で、5D3は旅行や家での撮影に、GRはちょっとした外出や散歩、通勤時のスナップにと使い分けております。
ここに今回、FUJIFILMのX-Pro1が加わりましたのでその経緯や簡単なレビューを書きたいと思います。後継機であるX-Pro2が発表された今、なぜ1世代前のX-Pro1を購入してしまったのか。自分でもまだ良くわかっていませんが書いているうちに自分を納得させられると期待しています(笑)
GRの弱点
まず最初に、ものすごく気に入っていてどこに行くにも持ち歩いているGRですが、1年半も使っていると弱点もちらちらと見えてきます。それは、高感度がやや弱いという点です。普段のスナップに利用している以上、平日はどうしても朝と夜の通勤時がメインになってくるのですが、夜のスナップでもう一段欲しくなるということがよく有るのです。
いや、APS-CでF2.8の単焦点レンズということを考えると非常によくやっているのはわかるのです。ハイコントラスト白黒エフェクトでノイズを味に変えることはできるのですが、どうしても飛び道具感は否めません。そんなわけで、もうほんの少しだけ高感度が強いカメラを心の何処かで求めていたのです。かといって、GRはこのクラスのコンパクトカメラとしては高感度耐性は高い方です。もちろん上を見ればSONYのDSC-RX1シリーズなどがありますが、ちょっと手が出る値段ではありません。
もう一つ挙げるとすれば、ファインダーが無いということです。GRは軽量コンパクトで高画質というカメラですのでファインダーがないことはメリットでもあるのですが、撮っている時についGRを顔に当ててしまうということが何度も有り、やっぱりファインダーが欲しいなと思うことも多々あったのです(GRにはオプションで光学ファインダーがありますが、ただの素通しのレンズです)
悪魔のささやき
富士フイルムがフラッグシップ機X-Pro1の後継機X-Pro2を発表したのはニュースとしては知っていましたが、特に注目はしていませんでした。しかしそんな中、B&H(アメリカの大手カメラショップ)が旧機種X-Pro1の在庫一掃セールを始めたことを知り、ちょっと興味が出てしまいました。
X-pro1ってめっちゃ値崩れしてるんだな。後継機が発表されたし、4年前の機種とは言えフラッグシップ機が。
— Z. Ishima (@EFlensNet) January 23, 2016
調べてみると、X-Pro1はフラッグシップ機とは言え、富士フイルムがミラーレスカメラ市場に参入した2012年に最初に投入された比較的古いカメラです。単純に画質や操作性という面ではより新しいX-T1のほうが上なのでしょう。しかし、フラッグシップ機です。古い機種ですが、明るいレンズを付ければ夜のスナップも万全でしょう。富士フイルムの画作りは以前からいいなぁーと思ってみていたこともあり、心が揺らぎ始めてしまいました。
GRとX-Pro1とX-Pro2の比較
GRはコンパクトカメラ、X-Pro1はミラーレスカメラですのでそもそもカテゴリが違いますが、ちょっと比較してみましょう。X-Pro1にするとGRよりどれくらい大きく重くなってしまうのか。新機種のX-Pro2もついでに見てみましょう。新機種が発表された今、X-Pro1はまだまだ使えるのか、それとも?
GR(GR II) | X-Pro1 | X-pro2 | |
---|---|---|---|
発売年月 | 2013年5月(GRIIは2015年7月) | 2012年2月 | 2016年3月(予定) |
有効画素数 | 約1,620万画素 | 約1,630万画素 | 約2,430万画素 |
撮像素子 | 23.7x15.7mm(APS-C) | 23.6x15.6mm(APS-C), X-Trans CMOS | 23.6x15.6mm(APS-C), X-Trans CMOS III |
レンズ | 18.3mm F2.8(5群7枚、非球面レンズ2枚) | FUJIFILM Xマウント | FUJIFILM Xマウント |
撮影感度 | 100-25600 | 200-6400(拡張ISO: 100, 12800, 25600) | 200-12800(拡張ISO: 100, 25600, 51200) |
手ぶれ補正 | なし | 手ブレ補正機能付きレンズで対応 | 手ブレ補正機能付きレンズで対応 |
最速シャッタースピード | メカニカルシャッター: 1/4000 | メカニカルシャッター: 1/4000 | メカニカルシャッター: 1/8000, 電子シャッター: 1/32000 |
連射速度 | 約4コマ/秒 | 約6コマ/秒 | 約8コマ/秒 |
ファインダー | なし | OVF(約0.37倍、約0.60倍)、EVF(144万画素) | OVF(約0.36倍、約0.60倍)、EVF(236万画素) |
寸法 | (幅)117x(高さ)61.0x(奥行き)34.7mm | (幅)139.5x(高さ)81.8x(奥行き)42.5mm | (幅)140.5x(高さ)82.8x(奥行き)45.9mm |
重量 | 約245g(バッテリー、メモリーカード含む) | 約450g(バッテリー、メモリーカード含む)+レンズ | 495g(バッテリー、メモリーカード含む)+レンズ |
防塵防滴 | × | × | ◯ |
Wifi | GR IIにはあり | なし | あり |
こうしてみると、X-Pro1とX-Pro2の主な違いはX-Pro2では画素数がアップ、ISO感度が一段向上、シャッタースピードも1段向上、さらに電子シャッター採用により1/32000秒が可能、といったところでしょうか。また画像エンジンも2世代進んだX-Trans CMOS IIIとなっています。明らかな順当進化といったところですが、ここでは手の届かないX-Pro2ではなく、手持ちのGRとX-Pro1の比較をしてみましょう。
もちろん最も大きな違いはGRがコンパクトデジカメでレンズが固定であるのに対し、X-Pro1がミラーレスカメラでレンズ交換が可能であるという点にあります。そのため当然サイズと重量はX-Pro1の方が1回りも2回りも大きくなっています。ボディだけでGRの2倍近くの重量があるのに、さらにレンズですからね。常用ISO感度はX-Pro1の方が2段低いですが、GRが拡張ISO感度を設定していないだけで、X-Pro1の方も拡張ISO含めれば同じくらいですので単純なスペックとしては同じようなものでしょう。あとはエンジンの違いによるノイズの処理の仕方がどう違ってくるかでしょうか。
シャッタースピードはGRもX-Pro1も1/4000秒で同じですが、GRには内蔵NDフィルターが付いていて1/4000秒では露出が飛んでしまうようなときには自動的にNDフィルターを効かせてくれます。この点ではX-Pro1は明らかに不利でしょう(X-Pro2では電子シャッター1/32000秒を達成することによってこの問題はある程度解消しています)。
逆にX-Pro1の方が有利である点としては、レンズが交換できること、ファインダーが付いていることくらいです。身もふたもないことを書きますが、ぜんぜん違うカテゴリのカメラですので正直スペックだけでは比較できません。実際に触って撮り比べてみないと。
X-Pro1の魅力
X-Pro1 + EF 27mm F2.8 (F5.6, 1/420s, ISO800)
OVFとEVFが両方使えるハイブリッドビューファインダー
X-Pro1が他のミラーレスカメラと比較して特異である一番の特徴は、ハイブリッドビューファインダー(HVF)というファインダーを搭載している点にあります。これは光学ビューファインダー(OVF)と、電子ビューファインダー(EVF)のハイブリッドで、同じファインダーであるにもかかわらず、OVFとEVFをスイッチで切り替えて使用することができるのです。
OVFとEVFのメリットとデメリットはこんな感じです。ついでにGRのようなコンデジのライブビューとも比較してみましょう。
OVF(光学ビューファインダー) | EVF(電子ビューファインダー) | LCD(液晶ディスプレイ) | |
---|---|---|---|
メリット | ・被写体をクリアに見ることができ、タイムラグがない ・映る範囲の少し外が見え、フレーミングしやすい | ・視野率が100%で、実際に写るのと同じ画像が見える | ・EVFと同様に、実際に写るのと同じ画像が見える ・画面が大きく、表示が見やすい |
デメリット | ・パララックスがある | ・タイムラグがある | ・タイムラグがある ・強い光の下では見づらい |
上でGRにもオプションのOVFがあると書きましたが、これは完全にただのレンズです。しかし、X-Pro1のOVFは撮影時に各種パラメータが表示できる他、ブライトフレーム(パララックスを補正し、レンズの焦点距離を考慮した撮影範囲の枠)が表示できます。私はこれまでEVFを搭載したカメラを使ったことはないのですが、EVFにはEVFの良さがあるので、OVFとEVFを切り替えながら利用できるのは魅力的ですね。
X-Trans CMOSセンサー
X-Pro1を始め、富士フイルムのXシリーズはX-Trans CMOSセンサーというセンサーを搭載しています。これは富士フイルムが同時に開発したセンサーで、カラーフィルターの配列を工夫しRGB画素の配列を通常のベイヤー配列とは異なるものとすることで、ローパスフィルターレスにもかかわらずモアレや偽色を抑え、高い解像力が得られます。細かいことは公式ホームページに譲りますが、通常のベイヤー式センサーとは異なる画が得られることが期待されます。
魅力的なXFレンズ群
富士フイルムといえばフジノンレンズ!富士フイルムの純正XマウントレンズはAPS-C専用(フルサイズカメラを出していないため)で、比較的コンパクトで安価なレンズが豊富です。GRでは35mmフィルム換算で28mm F2.8の単焦点レンズを満喫していますが、これらの交換レンズを味わえるのは大変魅力的です。X-Pro1のセンサー自体の高感度耐性がGRと同程度であったとしても、明るいレンズを取り付けてしまえば問題なしです。
フィルムシミュレーション
最後に、富士フイルムのカメラはそのフィルムシミュレーションの画作りでも有名です。もともとフィルムメーカーであったこともあり、センサーと画像エンジンが自社開発であることも手伝って、忠実な再現性で知られています。そのフィルムシミュレーションをいろいろと試してみるのも楽しそうです。
じゃじゃ馬を乗りこなして撮影を楽しもう!
X-Pro1 + EF 27mm F2.8 (F5.6, 1/125s, ISO400)
ここまで見てきて、どうしても我慢できなくなってしまい、ついにポチッと行ってしまいました。X-Pro1とXF 27mm F2.8というパンケーキレンズのセットが安かったのでこれを選択しました(これは富士フイルムが提供しているレンズキットではなく、B&Hが独自に設定したセット販売のようです)。ズームレンズを使うつもりはなく、持ち運びを考えるとパンケーキレンズが第一選択だと考えていたので願ったり叶ったりです。
色々調べてみると、このカメラ、販売当初は結構操作感に難があったらしく色々ネガティブな記述が出てきますが、その後の度重なるファームウェアアップデートによりAFのスピードなど操作性はかなり向上しているようです。まだ扱いづらさはあるのかもしれませんが、条件が揃った時に出てくる画はうっとりするものばかり。GRはパチパチと気軽に撮っていればそれなり以上の画が簡単に残せるアベレージヒッター、X-Pro1は当たれば飛ぶホームランバッターといったところでしょうか。
楽しみです。実際の操作感や作例などは次の記事でまとめたいと思います。それでは、今日もCapture the MOMENT!